Life is Tea
デイヴィッドが語る紅茶にまつわるエピソードや、ちょっと気になる裏話などを毎月紹介。
彼だからこそ知る紅茶の世界の物語を、一杯のムレスナティーとともに味わってください。
MLESNA TEA JAPAN代表取締役社長
デイヴィッド.K
アートにまつわる仕事などを経て、ムレスナ・ティーに出会う。アンスレム・B・ペレラ氏の信頼も厚く、日本総代理店として国内に流通する全てのムレスナ・ティーを統括。名ブレンダーとしても知られ、今までに作ったブレンドはすでに300以上に及ぶ。今もムレスナ・ティー・ハウス 総本店に立ち、現場での仕事を大切にしている。
Life is Tea
Vol.8 自分で限界を決めるな!
「あえてクセ強めなメッセージの理由」 最近、「パッケージに書かれているメッセージが強烈に印象に残って、なぜこうなったのかを詳しく聞きたい」と興味を持ってもらい、Webマガジンomoroi-beingの取材を受けたんです。 最初はQ&A風に、紅茶の美味しい理由なんかを書いてたんだけど、お客さんから「メッセージを書いて欲しい」って言われて始めたのがきっかけだったと思います。最初は1面だったけど、書きたいことが多くて、気づいたらほぼ全面に今はメッセージが入っています。内容はその時に思ったこと。どんどん忘れていくし、その時の気分で書いていますね。特定の人を思い出して「いやほんまに、あの人にお世話になったな、ありがたい」て気持ちが「ありがとうございます、いつもどうもありがとうございます、心から感謝でいたいです」とかね。そういう風に増えていった。 ブレンドの名前も最初は「フレンチアップル」とか、わかりやすい名前だったんです。でもだんだん、メッセージなのかブレンド名なのか、どっちが名前かよくわからなくなってきた。「リージェントストリートで買い物がしたい」とかね。 昔ロンドン行った時ウロウロしたのが懐かしいな、とか思い出しながら。だから僕の思い出も、たまに入ってるんです。買う人にとってはどうでもいいこと、関係ないことかもしれないけれど、手に取った人が「ああ、俺も行きたいわ」とか「私も行ったことあるわ」って思うかもしれないよね。そういうきっかけになったら面白いなと思って。 「限界を決めているのは自分自身」 文章も「なんちゃって」とか書くから、クセが強いって思う人もいて、「こんなん入れへん方がいいん違います?」って声もたくさんあった。でも、あえて普通に喋るように書こうと思ってるんです。「パッケージにそんな言葉を使ったらあかんやろ」っていう常識は、僕には関係ない。誰もやってないから、やるんです。だからもし、誰かがやっていたら、やらなかったね。固定観念を外してみたら、喜んでくれる人が何人か出始めたんです。例えば、100人が「これない方がいいよ」と言っても、5人ぐらいが「めっちゃ感動しました」と言ってくれたら、僕はこの5人の方と一緒に楽しんでいきたい。 その5人はきっと、本当に美味しいとか、面白いってことを分かっている人だと信じているから。それは商売としてダメだって言う人がいるでしょ。「儲かる、儲からない」っていう話は大事なのかもしれないけれど、そこだけを目指したら人生はダメだよっていうメッセージを送りたいね。 誰もがやらないことは、やっぱりそれで成功するのは難しい。でもそれが成功したら最高でしょ? 「そこで成功する秘訣はなんですか」ってよく聞かれるけど、とにかく継続だね。継続しかないよ。そういうと、ほとんどの人が「無理や」て言うんです。そうじゃなくて、「なぜ無理なのか」を突き詰めないで、「もう無理」って思う人が多いと僕は感じます。無理って思うから無理になる。「儲からへん」ていうと、儲からなくなるよね。だから自分で、「無理や」って思わない方がいいです。自分がそう思うと、脳もそう信じて、無理な方向にしか考えなくなる。中村天風さんも、本の中でそんな話を語ってましたよ。だから僕は、無理とは思わないようにしてる。だけど、見極めは大事。信じて成功するか、ただの勘違いとなるか。それを見極められるようになるには、やっぱり継続する力が大事です。
Vol.8 自分で限界を決めるな!
「あえてクセ強めなメッセージの理由」 最近、「パッケージに書かれているメッセージが強烈に印象に残って、なぜこうなったのかを詳しく聞きたい」と興味を持ってもらい、Webマガジンomoroi-beingの取材を受けたんです。 最初はQ&A風に、紅茶の美味しい理由なんかを書いてたんだけど、お客さんから「メッセージを書いて欲しい」って言われて始めたのがきっかけだったと思います。最初は1面だったけど、書きたいことが多くて、気づいたらほぼ全面に今はメッセージが入っています。内容はその時に思ったこと。どんどん忘れていくし、その時の気分で書いていますね。特定の人を思い出して「いやほんまに、あの人にお世話になったな、ありがたい」て気持ちが「ありがとうございます、いつもどうもありがとうございます、心から感謝でいたいです」とかね。そういう風に増えていった。 ブレンドの名前も最初は「フレンチアップル」とか、わかりやすい名前だったんです。でもだんだん、メッセージなのかブレンド名なのか、どっちが名前かよくわからなくなってきた。「リージェントストリートで買い物がしたい」とかね。 昔ロンドン行った時ウロウロしたのが懐かしいな、とか思い出しながら。だから僕の思い出も、たまに入ってるんです。買う人にとってはどうでもいいこと、関係ないことかもしれないけれど、手に取った人が「ああ、俺も行きたいわ」とか「私も行ったことあるわ」って思うかもしれないよね。そういうきっかけになったら面白いなと思って。 「限界を決めているのは自分自身」 文章も「なんちゃって」とか書くから、クセが強いって思う人もいて、「こんなん入れへん方がいいん違います?」って声もたくさんあった。でも、あえて普通に喋るように書こうと思ってるんです。「パッケージにそんな言葉を使ったらあかんやろ」っていう常識は、僕には関係ない。誰もやってないから、やるんです。だからもし、誰かがやっていたら、やらなかったね。固定観念を外してみたら、喜んでくれる人が何人か出始めたんです。例えば、100人が「これない方がいいよ」と言っても、5人ぐらいが「めっちゃ感動しました」と言ってくれたら、僕はこの5人の方と一緒に楽しんでいきたい。 その5人はきっと、本当に美味しいとか、面白いってことを分かっている人だと信じているから。それは商売としてダメだって言う人がいるでしょ。「儲かる、儲からない」っていう話は大事なのかもしれないけれど、そこだけを目指したら人生はダメだよっていうメッセージを送りたいね。 誰もがやらないことは、やっぱりそれで成功するのは難しい。でもそれが成功したら最高でしょ? 「そこで成功する秘訣はなんですか」ってよく聞かれるけど、とにかく継続だね。継続しかないよ。そういうと、ほとんどの人が「無理や」て言うんです。そうじゃなくて、「なぜ無理なのか」を突き詰めないで、「もう無理」って思う人が多いと僕は感じます。無理って思うから無理になる。「儲からへん」ていうと、儲からなくなるよね。だから自分で、「無理や」って思わない方がいいです。自分がそう思うと、脳もそう信じて、無理な方向にしか考えなくなる。中村天風さんも、本の中でそんな話を語ってましたよ。だから僕は、無理とは思わないようにしてる。だけど、見極めは大事。信じて成功するか、ただの勘違いとなるか。それを見極められるようになるには、やっぱり継続する力が大事です。
Vol.7 日本の紅茶文化はまさに進化中
「過去の紅茶との決別」 皆さん、20年くらい前のいわゆる英国式紅茶と言われた味を覚えていますか? 割と重い紅茶――例えばニルギリやアッサムといった、濃くて渋目の紅茶を「これぞ紅茶」としてパイオニアと言われる人たちが広めていました。 うちのティールームに来た人がムレスナ・ティーの紅茶を飲むと、「私が今まで紅茶だと教わってきたのは、もう少し苦くて渋いものだった」と言うわけです。「そうでしょうね。だからそれって日本人が本当に好きな味じゃないじゃない?」と。日本茶のように、甘みの中に適度な苦味と渋みを含むのが煎茶の一番美味しいところであって、そのバランスが取れているから後味が良く、スーッと体に入ってくるわけです。それに対して、甘みのない苦味と渋みだけのお茶を「これが美味しいんだよ」と言って普及させたのが過去の紅茶業界の人たち・・・という話をしたら、「なるほど、でもそんな話をもっと早く聞きたかったわ」と言われました。よくあることです。 だから、僕が良いと思う紅茶は、日本人の嗜好や文化にマッチする紅茶なんです。じゃあ、欧米の紅茶と何が違うのかと言えば、大雑把に言えば「草食と肉食の違い」なんです。草食というのは僕ら日本人ですね。日本人というのは、まず香りから入って、食べて、飲む。食べた時・飲んだ時に、最初に嗅いだ香りと口に入れた時の味が一致していることを好みます。「美味しいな」と感じやすい。 でも、肉食の西洋人は違って、一致してなくていい。例えばブルーベリーの紅茶なら、香りはブルーベリーだけど、味はほとんど変哲のないブラックティーの味でいいんです。肉食の多い料理の後に飲むには、その方がスッキリするんでしょう。食文化の違いは大きいので、ムレスナ・ティーがアジア圏で人気なのはそういった理由なんだと思います。 「日本のスタンダートティーの風味とは」 しかも、欧米の水は硬水で、日本の軟水とは違って抽出する力が低い。だから濃いブラックティーが美味しく感じるられるんですが、そのまま日本に持ち込んでも日本人が美味しいと感じることはない、と言うのが僕の持論です。さらに日本には四季があります。だから、その四季に合わせた紅茶のフレーバーが求められるんです。気候に応じた気分にマッチするものを作りたいと思って続けていたら、気づいたら700近いフレーバーを作っていました。 今は日本茶ブームで、スッキリとした味わいの僕たちの紅茶を支持してくれる人が増えているのかもしれません。紅茶を飲む人たちの意識も変化している最中なのでしょう。だから僕は、日本の紅茶のスタンダードを目指したいと思っています。ほのかな甘味があり、バランスの良いスッキリとした味わいの紅茶こそ、これから日本で愛される紅茶だと信じて作り続けます。
Vol.7 日本の紅茶文化はまさに進化中
「過去の紅茶との決別」 皆さん、20年くらい前のいわゆる英国式紅茶と言われた味を覚えていますか? 割と重い紅茶――例えばニルギリやアッサムといった、濃くて渋目の紅茶を「これぞ紅茶」としてパイオニアと言われる人たちが広めていました。 うちのティールームに来た人がムレスナ・ティーの紅茶を飲むと、「私が今まで紅茶だと教わってきたのは、もう少し苦くて渋いものだった」と言うわけです。「そうでしょうね。だからそれって日本人が本当に好きな味じゃないじゃない?」と。日本茶のように、甘みの中に適度な苦味と渋みを含むのが煎茶の一番美味しいところであって、そのバランスが取れているから後味が良く、スーッと体に入ってくるわけです。それに対して、甘みのない苦味と渋みだけのお茶を「これが美味しいんだよ」と言って普及させたのが過去の紅茶業界の人たち・・・という話をしたら、「なるほど、でもそんな話をもっと早く聞きたかったわ」と言われました。よくあることです。 だから、僕が良いと思う紅茶は、日本人の嗜好や文化にマッチする紅茶なんです。じゃあ、欧米の紅茶と何が違うのかと言えば、大雑把に言えば「草食と肉食の違い」なんです。草食というのは僕ら日本人ですね。日本人というのは、まず香りから入って、食べて、飲む。食べた時・飲んだ時に、最初に嗅いだ香りと口に入れた時の味が一致していることを好みます。「美味しいな」と感じやすい。 でも、肉食の西洋人は違って、一致してなくていい。例えばブルーベリーの紅茶なら、香りはブルーベリーだけど、味はほとんど変哲のないブラックティーの味でいいんです。肉食の多い料理の後に飲むには、その方がスッキリするんでしょう。食文化の違いは大きいので、ムレスナ・ティーがアジア圏で人気なのはそういった理由なんだと思います。 「日本のスタンダートティーの風味とは」 しかも、欧米の水は硬水で、日本の軟水とは違って抽出する力が低い。だから濃いブラックティーが美味しく感じるられるんですが、そのまま日本に持ち込んでも日本人が美味しいと感じることはない、と言うのが僕の持論です。さらに日本には四季があります。だから、その四季に合わせた紅茶のフレーバーが求められるんです。気候に応じた気分にマッチするものを作りたいと思って続けていたら、気づいたら700近いフレーバーを作っていました。 今は日本茶ブームで、スッキリとした味わいの僕たちの紅茶を支持してくれる人が増えているのかもしれません。紅茶を飲む人たちの意識も変化している最中なのでしょう。だから僕は、日本の紅茶のスタンダードを目指したいと思っています。ほのかな甘味があり、バランスの良いスッキリとした味わいの紅茶こそ、これから日本で愛される紅茶だと信じて作り続けます。
Vol.6 それは本物のセイロンティーですか?
「ムレスナ・ティーは唯一無二」 前にも(vol.3 「紅茶の適正価格とは?」)お話ししたけれど、セイロンティーには僕が取り扱っているムレスナ・ティーより安いお茶はあります。でもそれって、「本物のセイロンティー」ですか? 安価なセイロンティーは、なぜ安いのか。考えてみてください、理由があるんです。それはものすごく大量に、ただスリランカで収穫されただけの茶葉です。味はいまいち。そこに、ある程度の香りを付ければ「別に悪くない、これでいいよね」と言う人もいるわけです。しかし、僕たちはそんなレベルのものは扱わないし、妥協することはできません。 でも、そういうお茶を使っているブランドもあって、実はムレスナ・ティーでノウハウを学んで独立した人がやっているA社もその一つ。彼らは僕に内緒で他社から安い茶葉を仕入れて、ムレスナ・ティーにブレンドして安く販売したので、取引を中止しました。BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)なら、リーフが細かいから分からないって思ったんだろうね。でも愛用者から「味が変わったのか、美味しく淹れられない」と問い合わせが来て判明したんです。だから、「ムレスナ・ティーに似た安い紅茶」は、ムレスナ・ティーと全く関係がありませんのでご注意を。 「これが安いセイロンティーのからくり」 実は紅茶に関する規定では、セイロンティーが30%以上入っていれば、「セイロン・ブレンド」「セイロン・ミックス」と名乗れます。こう書かれたら「セイロンティーのブレンドでスリランカ産だから、ムレスナ・ティーと一緒で美味しいはず」と思う人がいるかもしれませんよね? 合法だけれど、でもこれは僕が思うハイクオリティな本物のセイロンティーじゃありません。だから、本物のセイロンティーを選ぶようにしてください。 今まではこういうことはわかりづらかったけれど、ネットからも情報を得ることができて、今の消費者の皆さんは賢くなっています。だから嘘やズルいことはすぐバレちゃう。これからは本物だけが残る時代だと僕は感じています。でも高いから良いってわけでもないですから、皆さんも賢い消費者になってくださいね。そして僕たちは、そうした消費者の皆さんに「これは本当にきちんと作られた、真っ当な紅茶だ」と思ってもらえるものを提供していきます。 そういえば、真っ当な商品を選んでいるYAMADA STOREさんが西宮店をオープンされて、ムレスナ・ティーを選んでくださいました。山田社長と色々お話しして面白かったです。うちの紅茶はもちろん、消費者にとって良いものを厳選されているので、ぜひ行ってみてください。
Vol.6 それは本物のセイロンティーですか?
「ムレスナ・ティーは唯一無二」 前にも(vol.3 「紅茶の適正価格とは?」)お話ししたけれど、セイロンティーには僕が取り扱っているムレスナ・ティーより安いお茶はあります。でもそれって、「本物のセイロンティー」ですか? 安価なセイロンティーは、なぜ安いのか。考えてみてください、理由があるんです。それはものすごく大量に、ただスリランカで収穫されただけの茶葉です。味はいまいち。そこに、ある程度の香りを付ければ「別に悪くない、これでいいよね」と言う人もいるわけです。しかし、僕たちはそんなレベルのものは扱わないし、妥協することはできません。 でも、そういうお茶を使っているブランドもあって、実はムレスナ・ティーでノウハウを学んで独立した人がやっているA社もその一つ。彼らは僕に内緒で他社から安い茶葉を仕入れて、ムレスナ・ティーにブレンドして安く販売したので、取引を中止しました。BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)なら、リーフが細かいから分からないって思ったんだろうね。でも愛用者から「味が変わったのか、美味しく淹れられない」と問い合わせが来て判明したんです。だから、「ムレスナ・ティーに似た安い紅茶」は、ムレスナ・ティーと全く関係がありませんのでご注意を。 「これが安いセイロンティーのからくり」 実は紅茶に関する規定では、セイロンティーが30%以上入っていれば、「セイロン・ブレンド」「セイロン・ミックス」と名乗れます。こう書かれたら「セイロンティーのブレンドでスリランカ産だから、ムレスナ・ティーと一緒で美味しいはず」と思う人がいるかもしれませんよね? 合法だけれど、でもこれは僕が思うハイクオリティな本物のセイロンティーじゃありません。だから、本物のセイロンティーを選ぶようにしてください。 今まではこういうことはわかりづらかったけれど、ネットからも情報を得ることができて、今の消費者の皆さんは賢くなっています。だから嘘やズルいことはすぐバレちゃう。これからは本物だけが残る時代だと僕は感じています。でも高いから良いってわけでもないですから、皆さんも賢い消費者になってくださいね。そして僕たちは、そうした消費者の皆さんに「これは本当にきちんと作られた、真っ当な紅茶だ」と思ってもらえるものを提供していきます。 そういえば、真っ当な商品を選んでいるYAMADA STOREさんが西宮店をオープンされて、ムレスナ・ティーを選んでくださいました。山田社長と色々お話しして面白かったです。うちの紅茶はもちろん、消費者にとって良いものを厳選されているので、ぜひ行ってみてください。
Vol.5 「信頼」できる相手とは これができる人だと思う
「『継続は力なり』は人間関係にも言えること」 今の時代、信頼を築き上げるのは大変ですよね。悩んだらAIに相談する人が多いんでしょ? AIが代わりに考える時代で、自分で判断しない人が増えて行くだろうなと感じます。道具として使いこなすだけならいいんです。でも、依存するとそれは人生でも仕事においても非常に危ない。10人中8人が、悩むことをAIに依存して楽な方へ流れても、残りの2人は自分の言葉を選び、自分のやり方で進み、決断するはずです。僕はその「2人」でありたいし、そういう人間と仕事をしたい。自分たちの関係性をもしかしたらAIに任せているかもしれない「8人」の人のことを、あなたは信頼できますか? 僕は無理。 みんな辛いことや面倒なことを避けようとしますが、それでは強い信頼は得られません。松下幸之介の伝説にあるように、時代錯誤だと言われても、人生において何回かは「血の出る思い」をしないといけない。例えば、ムレスナ・ジャパンのコンセプトカラーは赤ですが、アンセルムは反対でした。でも僕は「日本ではこれじゃないとダメだ」と言い切り、売上という結果を出して信頼され、真っ向勝負をして本当の絆が生まれたんです。信頼できる人を見極めるのは、確かに難しい。僕の判断基準は、一つのことに真面目に取り組む人かどうか。それは日々の積み重ねを疎かにしないことを意味しますから、人間関係にも現れます。簡単に物事を捨てたり諦める人は、人間関係だってそうするからね。僕はこれまでに裏切られたり、欲に溺れて自滅していっ人をたくさん見てきました。だからこそ、仕事の取引でも、相手をみる時この視点を忘れません。 「信頼は欲を出すと壊れる」 信頼って得るのは難しいけれど、損なうのは一瞬。仕事においては、それは「欲」に駆られた時だと僕は実感します。欲を出しすぎて信頼を失うことって、人間関係にもあると思いますから、皆さんも気をつけてください。ムレスナ・ティーは品質が高いので、価格が少し高くても買うよと言ってくれる「信頼」が出来上がるわけです。でも、これに欲を出して、クオリティを下げて高く売るという商売をすれば、一瞬で取引先はもちろん、ムレスナ・ティーのファンの信頼もこっぱみじんになります。だから僕は、そういう欲を出さず、誠実に紅茶と向き合い「低価格でたくさん売って儲ける」という仕事はしません。そのほうが楽だけれどね。僕、66歳ですけど新たにWebサイトを立ち上げて、自分の言葉で発信するという決断をしたのは、根底にある「真実」を伝えたいからです。そりゃ面倒だし、費用もかかるし、しんどいけれども「1日1人でも喜んでくれる人を作ること」を修行だと思ってるから、この連載が誰か1人にでも届いたらそれでいいんです。そしてそれは、ムレスナ・ティーとお客さんの信頼関係が生まれるってことだよね。信頼関係が生まれるプロセスには、必ずしんどいことがあります。でも、それを「しんどいから」と逃げるのではなく、繰り返しを嫌がらず、突き詰め、誠実に向き合い続ける。そうしていれば、信頼される人になり、信頼される仕事が生まれるんだと思います。一口飲んで「美味しい!」と驚いてくれるお客さんの笑顔のために、僕はこれからも信頼を裏切らない、オーソドックスで最高な、信頼される紅茶を届け続けます。
Vol.5 「信頼」できる相手とは これができる人だと思う
「『継続は力なり』は人間関係にも言えること」 今の時代、信頼を築き上げるのは大変ですよね。悩んだらAIに相談する人が多いんでしょ? AIが代わりに考える時代で、自分で判断しない人が増えて行くだろうなと感じます。道具として使いこなすだけならいいんです。でも、依存するとそれは人生でも仕事においても非常に危ない。10人中8人が、悩むことをAIに依存して楽な方へ流れても、残りの2人は自分の言葉を選び、自分のやり方で進み、決断するはずです。僕はその「2人」でありたいし、そういう人間と仕事をしたい。自分たちの関係性をもしかしたらAIに任せているかもしれない「8人」の人のことを、あなたは信頼できますか? 僕は無理。 みんな辛いことや面倒なことを避けようとしますが、それでは強い信頼は得られません。松下幸之介の伝説にあるように、時代錯誤だと言われても、人生において何回かは「血の出る思い」をしないといけない。例えば、ムレスナ・ジャパンのコンセプトカラーは赤ですが、アンセルムは反対でした。でも僕は「日本ではこれじゃないとダメだ」と言い切り、売上という結果を出して信頼され、真っ向勝負をして本当の絆が生まれたんです。信頼できる人を見極めるのは、確かに難しい。僕の判断基準は、一つのことに真面目に取り組む人かどうか。それは日々の積み重ねを疎かにしないことを意味しますから、人間関係にも現れます。簡単に物事を捨てたり諦める人は、人間関係だってそうするからね。僕はこれまでに裏切られたり、欲に溺れて自滅していっ人をたくさん見てきました。だからこそ、仕事の取引でも、相手をみる時この視点を忘れません。 「信頼は欲を出すと壊れる」 信頼って得るのは難しいけれど、損なうのは一瞬。仕事においては、それは「欲」に駆られた時だと僕は実感します。欲を出しすぎて信頼を失うことって、人間関係にもあると思いますから、皆さんも気をつけてください。ムレスナ・ティーは品質が高いので、価格が少し高くても買うよと言ってくれる「信頼」が出来上がるわけです。でも、これに欲を出して、クオリティを下げて高く売るという商売をすれば、一瞬で取引先はもちろん、ムレスナ・ティーのファンの信頼もこっぱみじんになります。だから僕は、そういう欲を出さず、誠実に紅茶と向き合い「低価格でたくさん売って儲ける」という仕事はしません。そのほうが楽だけれどね。僕、66歳ですけど新たにWebサイトを立ち上げて、自分の言葉で発信するという決断をしたのは、根底にある「真実」を伝えたいからです。そりゃ面倒だし、費用もかかるし、しんどいけれども「1日1人でも喜んでくれる人を作ること」を修行だと思ってるから、この連載が誰か1人にでも届いたらそれでいいんです。そしてそれは、ムレスナ・ティーとお客さんの信頼関係が生まれるってことだよね。信頼関係が生まれるプロセスには、必ずしんどいことがあります。でも、それを「しんどいから」と逃げるのではなく、繰り返しを嫌がらず、突き詰め、誠実に向き合い続ける。そうしていれば、信頼される人になり、信頼される仕事が生まれるんだと思います。一口飲んで「美味しい!」と驚いてくれるお客さんの笑顔のために、僕はこれからも信頼を裏切らない、オーソドックスで最高な、信頼される紅茶を届け続けます。
vol.4 ぶれない人生のために 忘れてはいけないこと
「飽きると人はぶれ出す」 僕はこの仕事を好きでやっていて、昨年40周年を迎えたけれど、「よく飽きませんね」って言われるんだよね。全然飽きない。今でもティールームで自分でお客様にお茶を作ってお出しするけれど、作り出すとすっごく心が高揚していくんです。どんどん作りたくなってくる。これってやっぱり、大げさなことをあえて言うと、天職みたいなものを感じますね。この間もテレビ取材されたあと、反響が大きくてお客様がたくさん来てくださったんで、てんてこ舞いだったけれど体は自然とどんどん動く。 そのクオリティを維持して追求していくには、軸がぶれてはいけない。でも実際は人間だから、飽きることだってあるわけ。だから「もうこの辺でええわ」とか、「もう十分わかったわ」と言い出すと、飽きが来る前兆。そうではなくて、やっぱり探究して研究していく姿勢というのは、もう死ぬまで続くものだと僕は思う。それを止めてはいけない。でも割と、自分なりに解釈して納得してしまいがちだよね。そうなると、自分の都合の良い解釈になって、軸がぶれ出す。ずっとぶれずに続けていける人っていうのは、探究して研究していく姿勢を死ぬまで忘れない人なんじゃないかな。 「人を心を支えるのは『感動』」 僕がなぜ長年飽きずにこの仕事を続けられているかというと、理由の一つにティールームでのお客様との出来事や経験があります。よくお客様が帰り際に、「ありがとうございました」って言ってくれるんです。先日も、「本当に感動しました。飲んだ瞬間に頭の中が、ブワーって晴れたようになった」って一生懸命説明してくれるんです。何度か来店して、「一緒に写真を撮ってください」て記念撮影することもあります。「そんな感動してくれたのか!」って、こっちも嬉しくなるよね。人は飽きを感じると、ぶれ出す。でも飽きることを忘れさせるのは、感謝や感動だと僕は思います。AIの技術より、人には欠かせないものじゃないですか? そのために僕は紅茶について探究して研究し続けて、皆さんに喜んでもらいたいですね。 今春から新しく、個包装1パックから楽しんでもらえる商品をリリースします。ルンビニ・エクストラ・スペシャルなど厳選したブラック・ティーを中心にセレクトした6種類がお楽しみいただけます。全てのものが値上がりする時代だけれど、幸せなティータイムを諦めて欲しくないから作ったシリーズです。どんな時代になっても、紅茶を楽しんでもらえるように探求していきますよ!
vol.4 ぶれない人生のために 忘れてはいけないこと
「飽きると人はぶれ出す」 僕はこの仕事を好きでやっていて、昨年40周年を迎えたけれど、「よく飽きませんね」って言われるんだよね。全然飽きない。今でもティールームで自分でお客様にお茶を作ってお出しするけれど、作り出すとすっごく心が高揚していくんです。どんどん作りたくなってくる。これってやっぱり、大げさなことをあえて言うと、天職みたいなものを感じますね。この間もテレビ取材されたあと、反響が大きくてお客様がたくさん来てくださったんで、てんてこ舞いだったけれど体は自然とどんどん動く。 そのクオリティを維持して追求していくには、軸がぶれてはいけない。でも実際は人間だから、飽きることだってあるわけ。だから「もうこの辺でええわ」とか、「もう十分わかったわ」と言い出すと、飽きが来る前兆。そうではなくて、やっぱり探究して研究していく姿勢というのは、もう死ぬまで続くものだと僕は思う。それを止めてはいけない。でも割と、自分なりに解釈して納得してしまいがちだよね。そうなると、自分の都合の良い解釈になって、軸がぶれ出す。ずっとぶれずに続けていける人っていうのは、探究して研究していく姿勢を死ぬまで忘れない人なんじゃないかな。 「人を心を支えるのは『感動』」 僕がなぜ長年飽きずにこの仕事を続けられているかというと、理由の一つにティールームでのお客様との出来事や経験があります。よくお客様が帰り際に、「ありがとうございました」って言ってくれるんです。先日も、「本当に感動しました。飲んだ瞬間に頭の中が、ブワーって晴れたようになった」って一生懸命説明してくれるんです。何度か来店して、「一緒に写真を撮ってください」て記念撮影することもあります。「そんな感動してくれたのか!」って、こっちも嬉しくなるよね。人は飽きを感じると、ぶれ出す。でも飽きることを忘れさせるのは、感謝や感動だと僕は思います。AIの技術より、人には欠かせないものじゃないですか? そのために僕は紅茶について探究して研究し続けて、皆さんに喜んでもらいたいですね。 今春から新しく、個包装1パックから楽しんでもらえる商品をリリースします。ルンビニ・エクストラ・スペシャルなど厳選したブラック・ティーを中心にセレクトした6種類がお楽しみいただけます。全てのものが値上がりする時代だけれど、幸せなティータイムを諦めて欲しくないから作ったシリーズです。どんな時代になっても、紅茶を楽しんでもらえるように探求していきますよ!
vol.3 紅茶の適正価格とは?
「紅茶に注がれる膨大な労力とスキル」 紅茶の価格が高いという人もおられますが、そもそも適正価格ってどんなものかをご存知でしょうか? ファッションの世界にもハイブランドがあるように、紅茶の世界にもあります。「高いから美味しい」というものでは必ずしもないと思っていますが、でもいい茶葉はある程度価格が上がってしまう。その理由を話しましょう例えば、「美味しいディンブラを調達する」としましょう。ちなみに、ディンブラというのは茶木の品種じゃなくて、産地の名前。だから、ブランドによって同じディンブラでも全然味が違います。1つの農園で最高の茶葉を調達するのは難しいので、「これぞムレスナが提案する最高のディンブラ」という味を決めて、その味になるように数種類の茶園から茶葉を買い付けてブレンドするんです。ここで大事なのは、良い茶葉を調達できるブランド力と資金力。さらに、「これがディンブラの美味しさだ」という味を明確に理解し、ブレンドしてその味にピッタリと調整するブレンダーの能力の高さ。しかも、買い付けた時だけではなく、日本へ輸送された時のことも考えて味を決めるんです。ムレスナ社にはそのすべてがあります。だから言い方を変えれば、前述の条件を満たせない場合は、「どこそこ茶園の美味しいディンブラ」というのを買ったまま提案するのは、ある意味楽でいい。もちろん、私たちもそういう特別に美味しい茶園の茶葉をイレギュラーに販売することもあります。でもトップクオリティのセイロンティーを提案するプロだから、大量に安定して美味しい茶葉を供給するために、このブレンドスキルがものを言うんです。だからディンブラ一つとっても、ものすごい労力とスキルが費やされているんです。 「紅茶のブレンドは高級煎茶と一緒」 実はこの方法は、日本の高級煎茶のブレンドや、老舗和菓子店が餡作りのために小豆を選ぶ作業と同じなんです。「自分たちが目指す味」のために、最良のものを調達し、その味になるようにブレンドする。ただの目利きじゃなく、それを活かすスキルがないとダメ。ブレンドすることで味を深め、安定させるんです。 今は残念ながら、円安で茶葉の値段は必然的に上がりました。でもより美味しい紅茶を飲んで幸せになって欲しいから、私たちは「安い茶葉をブレンドして価格を下げる」と言うことはしません。この話を理解してくだされば、納得してもらえると僕は信じています。「ものが売れない時代なのに」て言われますが、売れない時代だからこそ、分かってくれる人たちに向けて提案し続けていきたいんです。
vol.3 紅茶の適正価格とは?
「紅茶に注がれる膨大な労力とスキル」 紅茶の価格が高いという人もおられますが、そもそも適正価格ってどんなものかをご存知でしょうか? ファッションの世界にもハイブランドがあるように、紅茶の世界にもあります。「高いから美味しい」というものでは必ずしもないと思っていますが、でもいい茶葉はある程度価格が上がってしまう。その理由を話しましょう例えば、「美味しいディンブラを調達する」としましょう。ちなみに、ディンブラというのは茶木の品種じゃなくて、産地の名前。だから、ブランドによって同じディンブラでも全然味が違います。1つの農園で最高の茶葉を調達するのは難しいので、「これぞムレスナが提案する最高のディンブラ」という味を決めて、その味になるように数種類の茶園から茶葉を買い付けてブレンドするんです。ここで大事なのは、良い茶葉を調達できるブランド力と資金力。さらに、「これがディンブラの美味しさだ」という味を明確に理解し、ブレンドしてその味にピッタリと調整するブレンダーの能力の高さ。しかも、買い付けた時だけではなく、日本へ輸送された時のことも考えて味を決めるんです。ムレスナ社にはそのすべてがあります。だから言い方を変えれば、前述の条件を満たせない場合は、「どこそこ茶園の美味しいディンブラ」というのを買ったまま提案するのは、ある意味楽でいい。もちろん、私たちもそういう特別に美味しい茶園の茶葉をイレギュラーに販売することもあります。でもトップクオリティのセイロンティーを提案するプロだから、大量に安定して美味しい茶葉を供給するために、このブレンドスキルがものを言うんです。だからディンブラ一つとっても、ものすごい労力とスキルが費やされているんです。 「紅茶のブレンドは高級煎茶と一緒」 実はこの方法は、日本の高級煎茶のブレンドや、老舗和菓子店が餡作りのために小豆を選ぶ作業と同じなんです。「自分たちが目指す味」のために、最良のものを調達し、その味になるようにブレンドする。ただの目利きじゃなく、それを活かすスキルがないとダメ。ブレンドすることで味を深め、安定させるんです。 今は残念ながら、円安で茶葉の値段は必然的に上がりました。でもより美味しい紅茶を飲んで幸せになって欲しいから、私たちは「安い茶葉をブレンドして価格を下げる」と言うことはしません。この話を理解してくだされば、納得してもらえると僕は信じています。「ものが売れない時代なのに」て言われますが、売れない時代だからこそ、分かってくれる人たちに向けて提案し続けていきたいんです。